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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第48回 トラブル対処法 その1 マスク編

ダイビングスタート&スキルアップ術

初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!

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連載も48回ともなると、学ぶべきスキルも尽きてきた……と見返してみたらビックリ!
トラブル対処というテーマが抜けていたではないか!
それぞれのスキルの中に必要な場合は入れてはきたけれど、1つのテーマとして紹介しておくべきだな……と。
にしても、ダイビング中、ちょっとしたトラブルに見舞われることはよくある話。
それを見逃すと、とんでもなく大きな事故につながる可能性もある。
安全に潜るためにも、トラブルに負けない“安全ダイバー体質”になっておこう!

マスクの曇りはパニックの誘因

どんなに曇り止めをしてもマスクが曇ってしまう

「マスククリア」と「耳ぬき」は初心者にとっては2大難関スキルであり、トラブルも起きやすいもの。
今回はマスククリアとともに、マスクに関わるトラブルについて紹介していこう。

まず多いトラブルが「マスクの曇り」だろう。
これは初心者だけでなくベテランでも解決できていない人がたまにいる。

マスクが曇るのは、連載第45回「曇り止めの極意」でも紹介しているが、鼻で息をしていたり、日焼け止めやファウンデーションの油分がマスクレンズに付着し結露するのが原因だったりといろいろある。
新しく買ったばかりのマスクもレンズに油分が残っていてそれが結露してよく曇る。
新品のマスクは事前にレンズを歯磨き粉や台所用の中性洗剤などでよ~くこすり洗いをしておくことが重要だ。
レンズだけでなく、スカート部分の油脂も原因になっているかもしれないので、スカート部分もよく洗う。
できれば一晩か二晩、こすりつけた洗剤を流さないまま水に浸けて置いておくと、曇り止めの効果は増す。

どんなことをしてもマスクが曇ってしまうという方は、一晩か二晩、洗剤に浸けておいてダイビング直前(ココが肝心!)にもマスクの曇り止めをしっかりして、ダイビングに臨んでみてほしい。

あとは鼻で息をしないように心がけることが一番!

マスクが曇っている状態
※写真の人物は本文とは全く関係ありません

マスクの曇り止めはできるだけエントリーの直前に行なうのがベター。曇り止めをした後にしばらく時間が経つと効果がなくなってしまう。もしエントリー直前の曇り止めが難しい場合は、曇り止めをすすいだ水を捨てないでエントリー直前までマスクに残しておくといい

前が見えない!

でも、マスクが曇るとどういうことが起きるのか?

ダイビング中に、なんだか気持ちが落ち着かない、ソワソワする、過呼吸になりそう……と
パニックになりかけているようなダイバーを見かけることがある。
前に行って正面から様子を見てみると……マスクがどん曇り!
慌てていてマスクが曇っていることに気づかず、それによって視界が狭まり、パニック寸前の状態になっているのだ。

これは体験ダイバーや初心者に非常によく見られる傾向なのだが、ベテランダイバーでも、アゲンストの潮の中を泳がなくてはならないようなときや、ダウンカレントに持っていかれそうになっているときなど、ハードな局面でマスクが曇りまくっていることがある。
たいていは気づいてマスククリアをしているのだが、ハードな環境に負けてしまって判断力が鈍るといった状態になると、マスクは曇ったまま。

人間、視界が妨げられると不安になる。
不安になると呼吸が乱れ、過呼吸に陥りそうになる。
そのままの状態が続くと過呼吸になり、さらに続くとパニックに。

マスク内に水をちょっと入れて曇っている部分をすすいだら、後はちょっと上を向いてマスクの上部を押さえ、鼻から息を出せばその圧力でマスク内の水はスカート部の下から出ていく

水中ではパニックになると、呼吸をもっと楽にしたくなってレギュレーターを外したくなったり(そして外してしまったり)、視界に問題があるためマスクを外してもがいたり、他人のマスクやレギュレーターを外そうとしてしまうなど、ワケのわからない行動に至る場合もあり、急浮上したり、水をのみ込んだりして、最悪の場合は死に至ることもある。

そういうこともあることを知識として知っておいて、前が見えない、見えにくい、視界が狭い……といった状況になったら、まずはマスクの曇りを疑うこと。
実際、マスクが曇っていたら、マスククリアをすれば、一発でクリアな視界が戻ってくるはずだ。

マスク内に水をちょっと入れて曇っている部分をすすいだら、後はちょっと上を向いてマスクの上部を押さえ、鼻から息を出せばその圧力でマスク内の水はスカート部の下から出ていく

マスククリアができない!?

マスククリア嫌いを治す!

「マスククリアは絶対にしない」と、完璧な曇り止めと口呼吸をモノにしているダイバーは少なくない。
なぜなら「マスククリアが嫌いだから」「マスククリアができないから」なのだそうだが、マスククリア、そんなに嫌いですか?

海水が目に沁みるとか、女子ならマスカラが落ちるとか、「イヤな理由」はあるだろう。
中にはコンタクトレンズをはめたまま潜っているのでマスククリアをしたら大変なことになる……という切実な方もいるけれど、そもそもマスクに水を入れるときにドバッと水を入れなくても少量の水で曇りを治すことはできるわけだし、水が入っている間は目をつぶってしまえば問題ない。

ただし初心者のうちはイヤな気持ちが先に立ってマスククリアができなくなる可能性が大。
でも、マスククリアができないと、安全性も冒しかねないので、まずはマスククリアができるダイバーになることが先決だ。

本来は安全のためにもコンタクトレンズをしたままのダイビングはやめるのが建て前だが、どうしてもコンタクトレンズをして潜りたいという方は、マスククリアをマスターしてからにしておこう。

そういえば、「マスククリアがツライ」と言っていた読者に話を聞いていたら、その方はマスク内に入った水を鼻からすべて吸い込むものだと思っていた! 超笑える話だが、本人は真剣そのもの。そりゃツライわ!! 鼻から水を吸い込むのではなく、鼻から息を出して水をマスクの外に追い出すのが正解だ ※写真とは関係ありません

マスクに水が入り…… 死亡事故まで起きている

マスクに水が入ってパニックになり急浮上、そしてエアエンボで死亡
とか、
マスククリアができずにパニックになって急浮上してエアエンボ⇒死亡
といった、悲しいダイビング死亡事故も過去には起きている。
マスククリアさえ身に着けていれば、こんなことは起きなかったはずなのに……。

まず。マスクに水が入ってきたところで、慌てないこと。
陸上でも何かのはずみで転んだり、頭を打ったり、何かがぶつかってきたりすることがあるように、水中でも目の前を泳ぐダイバーがフィンで蹴り上げてきたり、上を泳ぐダイバーが落ちて来たりといろいろなことが起きるもの。人や魚、生き物、モノに接触すれば、ぶつかることは想定内。
万が一、何かがぶつかったときも冷静に対処できるように、講習でスキルを習うはずなのだが、駆け足で講習をしてしまうと、基本的なスキルを習得しきれていないこともよくあること。
でも、トラブルは突然、または油断したときに起きるものなので、何かが起きたときに、すぐに対処できる状態にしておくことも大切だ。

マスクに水が入ってきたら、入ってきた水をマスククリアして出せばいいだけ。
マスクを蹴られて外れそうになったら、マスクをはめ直して、マスククリアして正常な視界を保てばいいだけ。
落ち着いてやればパニックになる必要なんてまったくないのだ。

マスククリアはお風呂でも練習できる!

マスククリアが苦手、嫌い、という方は、安全ダイビングのためにもぜひそれを克服していただきたい。
湯船(バスタブ)のあるバスルームがある方は、お湯をはって、あったかいお湯の中、お風呂に入りながら練習してみてもいいんじゃないだろうか(お湯だとマスク内がすぐ曇るかもしれないが)。

バスタブのお湯の中でやるのは大変でも、水(お湯)をマスクの中に入れるところまで水中で行なって、マスククリアそのものは水中でやる必要はないわけだから……。

マスクの中に入れる水の量は少しでも、入れた水をマスク内でぐるりと回せば、曇りがなくなることに気づくはず。

コツを覚えてぜひ、マスククリアをモノにしょう!

マスクのトラブル

マスクが外れた!

目の前を泳いでいるダイバーがいきなり止まり、自分は止まることができず突っ込んでしまいそうに。
その時にガツッと何かが目の前に。目の前のダイバーのフィンが自分の顔を直撃し、気づけばマスクが外れてしまった!

そんな経験はないだろうか?

そこで慌てて、マスクが外れたダイバーが急浮上、事故に至るというケースもあるのだが、慌てないで! マスクが外れたといっても、ストラップがまだ頭に引っかかっている場合は、講習で習ったマスク脱着を思い出して、マスクを元の位置に戻して、マスクリアをすればいいだけ。

蹴り上げられてマスクが飛んでしまった場合も、まずは呼吸を整えて。
普通はそばにバディやインストラクター、ガイドがいるはずなので、飛んで行ってしまったマスクを拾いに行ってくれるはず。
また目は沁みるけれど、目を開けばぼんやりと水中の様子は見えるもの。マスクは浮力があるので、ゆっくりとその辺を漂っているはずだ。
周りに助けてくれる人がいない場合は、それを自分で取りに行って、あとは普通にマスクをつける要領でマスクをつけ、マスククリアをすればいい。

いきなりのことなので、驚いてしまってどうしていいかわからなくなってしまうかもしれないが、ゆっくりといつものように呼吸をして、落ち着いて考えればできるはずだ。

水中では裸眼でも物体は確認できるので、誰も助けてくれない場合は自分でマスクを探してキャッチ(どれだけ探しても見つからない場合は諦めて浮上の準備を開始しよう)

落ち着いてマスクを着ける。ストラップを回してレンズ面が顔にはまったら、あとはマスククリアの要領で水を外に出すだけ

マスクストラップが切れた!!

あまり聞いたことはないが、マスクストラップが切れたり、ストラップが緩んでいてダイビング中に外れてしまったりすることもなくはない。

ストラップが緩んで外れた場合は、自分でリカバリーする(自分でストラップをはめ直す)のが一番だが、水中ではなかなかうまくいかない場合も考えられる。
そんなときはバディやガイド、インストラクターにやってもらうといい。

また、ストラップが切れてしまった場合は、仕方ない。
マスクを手で押さえて、視界を確保しながら、バディとともに浮上していこう。

ストラップはゴム製、シリコン製のものが多いと思うが経年劣化をする素材。
非常に久しく使っていないものや長年使っている場合は(でも10年ぐらいは普通に使えるはずだが)、切れてしまうことも考えられるので、ダイビング前によくチェックしてから使用しよう。

ということで、マスクが曇ったり、外れたり、ストラップが外れたりなど
マスクに関するトラブルは、たいていの場合は事前の準備や自分のスキルが足りなかったり、
メンテナンスを怠ったりすることが原因。
まずはトラブルを起こさないことも重要なので、その辺もしっかりと行なうようにしよう!

次回更新予定日 2018年4月18日

第49回 トラブル対処法 その2

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