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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第34回 ボート? ビーチ?

基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術

初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!

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第34回 ボート? ビーチ?

前回の予告で「ボートダイビングのエグジット」と記載してしまったのだが、原稿を書きだしたところ、ふと、その前段階のボートダイビングのスタイルについて紹介していないことに気づいてしまった。 第16回のボートエントリーのとき、なぜそれに気づかなかったのか?と反省しきり。ビーチダイブについても同様だ。
既に経験を積んでいるダイバーにはわかりきったことかもしれないが、改めてボートダイビング、ビーチダイビングの特徴とその違い、ダイバーが気をつけるべき点について、書いておこうと思う。エグジット方法は次回以降にするのでご了承を!

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ダイビングで水中に入るには

『007』の世界みたいな潜り方は、一般的じゃない

そもそもダイビングは、場所でいえば海、湖や川などで行なうのが一般的だ。
では、そのダイビングスポットまではどうやっていくかというと、
・ビーチからエントリーして泳いでいく。もしくはエントリーした周辺を泳ぐ。
・ボートでアクセスし、エントリーした周辺または泳いで先の方まで行く。
と、大きく分けてそのまま海岸線からエントリーする方法と、ボートでエントリーする方法の2スタイルがある。

スイスのメーカーが数年前発表した水陸両用自動車のイメージ。
自動車で海の中へ行けたらおもしろいが、現実にはまだない
Rinspeed sQuba(Swiss Rinspeed Design CompanyのHPより引用)

既にファンダイビングをしたことのある人なら、当たり前のこととして認識されているが、まだダイビングをしたことのない方には、「そういうものなのだ」ということが意外に知られていないかもしれない。
しかも、TVやCMなどでヘリコプターから海にエントリーしたり、高い崖からジャンプして海にエントリーしたり、水陸両用車に乗って車から潜ったり、潜水艇から泳ぎだしたり……など、レジャーダイビングではほとんど行われないような映像も過去に流されているので、夢多き人は、ダイビングをすればそうしたことができる……と思っている方もいるかもしれない。

だからハッキリさせておきたいのだが、普通は、「ビーチエントリー」か「ボートエントリー」ということになる。

ビーチダイビング

ビーチからエントリーするダイビングのこと

日本近海の場合、または世界中の多くのオープンウォーター講習の海洋実習で行なわれるのがビーチからエントリーするスタイルの「ビーチダイビング」。
ビーチといっても、その名のとおりの砂浜やじゃり浜の海岸であることもあるし、岩がゴロゴロしているゴロタ石の海岸であることもある。
近年、日本近海のダイビングエリアではエントリー&エグジットがしやすいように、コンクリートのスロープが設置され、とてもラクになっているところも多い。

また、モルディブのリゾートでは、ビーチダイビングの際、美しいビーチからエントリーする場合もあるけれど、桟橋からジャイアントストライドエントリーでエントリーする、「ジェッティ(桟橋)ダイブ」をするリゾートもある。
実はモルディブに限らず、日本でも堤防や桟橋からエントリーするダイビングエリアもあるし、その他の海外にもある。
インド洋にあるオーストラリア領のクリスマス島は、ジェッティの高さが2~3mあって、エントリーするのにかなり勇気がいったことが思いだされる。

桟橋から入るといっても、階段で下まで降りていって、跳び込む必要がないエリアもあるし、いろいろだ。
世界各地に行って、いろいろな経験を積むのも、上達への近道といえよう。

以上のように「ビーチダイビング」「ビーチダイブ」といっても、
いろいろなスタイルがあるのだ。

ダイビングのメッカでもある伊豆半島周辺ではビーチダイブスタイルがほとんど。写真は大瀬崎

岩場からジャイアントストライドでエントリー!なんて海もある。伊豆大島の「秋の浜」が有名

ビーチダイビングは元に戻ってくるのが基本

さて、エントリーしたら安全に戻ってきてこそダイビングは楽しめる。
ビーチダイビングの場合、特別な例を除けば、基本的には元の位置に戻ってくることが求められる。

そのためには、水中で迷子にならないように計画をしっかり立てて間違いのないコース取りを考え、それを実行する必要がある。
水中は陸上での移動とは違って三次元の世界なので、水深にも気を配って減圧症にならないように計画をしなければならない。

バディ同士でセルフダイビングをしたり、最近はテクニカルなシーンでは、シングルダイブを推奨する動きもあるようだが、前述のように、エントリーしたらエグジットする場所に確実に安全に戻ってくることが大前提。
しっかりと計画を立てて、それに基づいた行動をする必要がある。
ダイビングは楽しいものだが、そうした計画的な行動を水中でする、アドベンチャラスな経験もまた別の楽しさがあるのかもしれない。
いずれにしても、バディ同士のセルフダイビングができないうちは、一人前とはいえない。
でも、できないのであれば、ガイドさんやインストラクターさんに連れていってもらえばいい。
最初のうちは、ビーチダイビングでも、まずはガイドダイビングをして、安全に戻ってこられるよう、ダイビングの経験を積むことをオススメする。

ボートダイビング

ボートからエントリーするダイビング

ビーチダイビングと対局を成すのが「ボートダイビング」。
「ボートダイブ」などとも呼ぶが、これはその名のとおり、ボートに乗ってダイビングに行くもの。

ボートはダイビングエリアによって、ダイビングサービスによって、種類や大きさはまちまち。
ウィークデーは漁船として漁業に使っているものを、週末のみダイビングボートとして使わせてもらっているなんてパターンもある。

船に寝泊まりしてダイビングを楽しむダイブクルーズ(モルディブやエジプトではダイブサファリと呼ばれるけれど)では、母船からダイナミックにジャイアントやフィートトゥギャザーでエントリーする場合もある。

いずれにしても、ボートの大きさ、種類によって、エントリーのスタイルも変わってくるので、それに応じたエントリー方法を身に着けておくことも大切だ。

モルディブのダイブサファリでは、「ダイビングドーニ」という小型のボートに乗り換えてダイビングに出かける。エントリーはジャイアントストライドが一般的

日本近海に多いのが、ボートのヘリにエントリーがしやすいように台が付いているダイビングボート。
水面近くからちゃぽんと落ちるだけでいいのがラクチン。写真は伊戸のダイビングボート

パラオをはじめ、「和船」と呼ばれる平型タイプのボートの場合、ヘリが低いので、このように座った状態からエントリーする“シッティングバックロールエントリー”が一般的

ビーチダイブと異なるボートダイブのメリット、デメリット

ボートダイブの場合、ビーチダイブに比べるとメリットがとても多い。

まず沖合いに点在する、ビーチダイブからはなかなか行くのが大変な魅力的なダイビングスポットに、ボートでなら気軽に潜りに行くことができる。
日本が誇る超ド級のビッグスポット、仲ノ神島やハンマーリバースポット、神子元島などは、ボートがなければ潜れない。
ボートダイビングの開発&発達で、私たちダイバーは、信じられないほど素晴らしい夢を現実のものにすることができるようになったのだ。

ボートダイブの場合、ビーチダイブと異なり、器材を背負って歩く距離が異常に短くてすむというのも、メリットの一つ。
伊豆などではボートでも結構歩くエリアもあるのだが、基本的には器材はボートのそばまで車やリヤカーなどで運んでもらえるし、器材の積み込みもちょっとの距離ですむ。
「殿様ダイビング」を実施している東南アジアの島々やパラオなどでは(ダイビングサービスにもよるが)、エントリー直前まで器材に触る必要がないという極楽ぶり。
とにかくシニアやか弱い女性にはうれしい限りだ。

ところで、ボートがアンカーをかけたポイントでエントリーし、船を係留させたまま、ダイバーが泳いで回ってくる、「アンカリングダイビング」がボートダイビングの基本だが、潮の流れがあるところでアンカリングダイビングをするとなると、カレント(潮流)に逆らって泳がなくてはならないこともある。それでは大変なので、エントリーしたところに戻らなくていい、エグジットしたところでボートに拾ってもらう「ドリフトダイビング」ができるのも魅力。
流れがあるところで潜れるので、想像を超える大物や魚群に会えることもあるし、逆流する必要がほとんどなくなるので、とにかく体がラクチン。

だが、ドリフトダイブはボートキャプテンがダイバーを見失い、漂流事故に陥る可能性がある。
また、海という大自然の中では天候や海況が異変を起こすこともある。そんな場合、ボートダイビングで出かける沖合いの海は、沿岸に比べると予測できない災害に遭ってしまう可能性もなくはない。
自力で帰れるビーチダイブと異なり、ボートに“他力本願”であるボートダイブは、ボートに万が一のことがあったら、人間にも被害が及ぶ可能性だってある。

まあ、海で遊ぶわけだから「絶対安全」はもともとないわけだが、事故ゼロを目指して安全にボートダイビングを楽しむためには、こうしたデメリットを想定して、さまざまな対策を立てておくことも大切というわけだ。

“いかだダイビング”なんてのもある

ところで、『マリンダイビング』1月号(No.618)の特集にフィリピンのボホール パングラオ島があるのだが、この《ノバビーチリゾート》が遠浅なハウスリーフで実施しているのが“いかだダイビング”。
おそらく世界で1つしかないんじゃないかと思うのだが。ボートで行くには喫水が浅すぎる遠浅のハウスリーフを、エントリーポイントまでいかだで連れていってくれるというもの。
ボートダイビングに似ているけれど、手漕ぎでエンジンがなく、のんびりとした情緒あふれるダイビングスタイルでファンは多い。

ほとんど沈んでいる!なんてツッコミはヌキにしていただいて……
《ノバビーチリゾート》のいかだダイビング。風情があって、わくわく感もあって楽しい

ただ、いかだはバランスが悪いので、ダイビング器材は水中に下ろして、水中で器材を装着するというスタイルになる。
ボートダイビングで体力がない女性やシニアが行なうスタイルでもある。
また、インドネシアのバリ島のテペコン島やアメッド、トランバンでは、“ジュクン”と呼ばれる伝統型の船をダイビングに使っていて、これもまた幅が狭く船上で器材を脱着するのが難しいので、こうして水中で器材を装着することに。

こうしたアジアならではのちょっと異なる“ボートダイビング”スタイルも、ぜひ経験していただきたいと思う。

いろいろなスタイルに挑戦したい

ということで、ビーチダイビング、ボートダイビング、おわかりいただけただろうか?

一つのダイビングフィールドでその海の達人になることもオススメだが、世界中いろいろな海に行って、その海を堪能するだけでなく、その海ならではのダイビングスタイルを知り、そのスタイルのスキルをマスターするということも非常に素晴らしい経験となる。

ぜひ皆さんもビーチ、ボート、いろいろなダイビングスタイルを経験していただきたい。

次回更新予定日 2017年1月11日

第35回 ボートダイビングのエグジット

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