地球の海フォトコンテスト2017
ビギナー部門　上位入賞作品

ビギナー部門　上位入賞作品

グランプリ（セイコーウオッチ賞を同時受賞）

ビックリ箱から飛び出したお魚たち
伊藤あゆ美／愛知県

オリンパスTG-3　フィリピン・セブ島・モアルボアル　Emeraldgreen Diving Center

「まさか私の写真が選ばれるとは思っておらず、とても驚きました！　選んでいただきありがとうございます。この写真はセブ島モアルボアルにある、ペスカドール島で撮影いたしました。視界いっぱいに広がるお魚の群れに、夢中でシャッターを切りました。ダイビング、写真歴ともにまだ日が浅いので、これを励みに生涯ダイビングと写真を続けていきたいです！」

審査員作品評

鍵井靖章
僕にはまるで「おとぎの国」のように見えます。スリバチカイメンにメラネシアンアンティアス、サンゴ、ウミシダ、それから、よく見ると少し気持ち悪いナマコがいっぱい･･････（笑）。豊かなフィリピンの海らしい、まるで玉手箱のような風景です。ゴチャゴチャにいろいろな要素がつまり、構図も少しズレがあるように感じますが、それが独特の「不思議」という世界観を作り上げていると思います。コンデジで直感的に撮ったのが良かったのだと思います。

準グランプリ

waiting for...
武内泰範／埼玉県

オリンパスOM-D E-M1　M.ZUIKO DIGITAL ED60㍉F2.8マクロ　PT-EP11　D-2000　f2.8　1/250秒　ISO200　静岡県・大瀬崎　水深28㍍　Ohana with･･･

「この度は高い評価をいただきありがとうございます。『自分はこういう雰囲気の写真が好きなんだな』と気付かせてくれた思い入れのある一枚ですので、今回の受賞を大変嬉しく思います。特別工夫を凝らした構図ではありませんが、ミジンベニハゼの可愛らしさがストレートに出せたのではないかと思います。撮影にあたり、いつもアドバイスをいただいているショップの皆さんにも感謝です！」

審査員作品評

鍵井靖章
ミジンベニハゼは人気者ですし、ブルーグリーンの目もキュートで被写体として申し分ありません。だからこのハゼをテーマとした作品は他にもたくさんありましたが、これが最も印象的でした。というのも、この作品からは物語が感じられます。タイトルもそんな感じですよね。ハゼがいる空間だけがライトによってほんのり浮かび上がり、左側は大きく暗い余白となっている。光と影をうまく使った、構図的にも素晴らしい作品だと思います。

優秀賞

入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。

振り落とさないで
梅地尚／兵庫県

キヤノンEOS5DMarkⅣ　EF16-35㍉F4L IS　ノーティカム　f4.5　1/125秒　ISO1250　フィリピン・セブ島・マラパスクア　水深18㍍　BLUE HEAVEN

審査員作品評

鍵井靖章
タイトル通りクリーナーがまとわりついているなど生態的なことも面白いですけれど、それより第一印象は「かっこいい！」です。圧倒的です、構図の勝利です。ニタリはオナガザメの仲間だけあって、長い尾が特徴じゃないですか。「大きな目がキュート！」など他にも魅力はありますが、やはり長い尾があってこそのニタリ。それを画面の中央にうまく配して、とても絵画的に仕上げていると思います。

王者と共に
久保耕平／東京都

ソニーα7S　DT18-55㍉F3.5-5.6　フィリピン・セブ島　水深1㍍

審査員作品評

鍵井靖章
ジンベエザメとグルクマの群れというコンビネーション。こんなシーン、見たことないです。普通はジンベエザメだけに目がいくと思いますが、魚群がきたことでサッと視点を変え、こんな大物を背景扱いにしてしまうという、ある意味スケールの大きな作品です。撮影地からすると、もしかすると餌付けされているスポットかもしれませんが、それは問題ではありません。柔軟な発想があるからこそ、ピントをジンベエザメから魚群に変えられたのだと思います。

チビガキ！！
桑原理恵／東京都

キヤノンEOS5DMarkⅡ　EF100㍉F2.8LマクロIS　シーアンドシー　Z-240×2灯　f6.3　1/40秒　ISO100　沖縄県・久米島　水深7㍍　DIVE ESTIVANT

審査員作品評

鍵井靖章
この余裕の構図にムカつきます（笑）。センスがいい、という意味ですよ。普通なら2匹のチビ（カンザシヤドカリとギンポ）にググッと迫ってしまうところですが、撮影者はダイビング歴が長いこともあって視野が広い。いやいやいや、「なるべく寄る！」という考えでは水中写真はもうダメですね。「接近イノチ（命）」という時代は終焉を迎えつつあり、こんなふうに余白を楽しむ方向にいくと思います。もちろん、この作品のように、チビたちのキュートさや存在感もよく表現された上での話です。