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STOP! 潜水事故
CASE11 ダウンカレントにつかまり気づけば-40m超

CASE11 ダウンカレントにつかまり気づけば-40m超

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE11 ダウンカレントにつかまり気づけば-40m超

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

外洋に面したドロップオフで潜っていたHさんとIさん。
そこは潮の流れが非常に速いところで有名で、しかもところどころにダウンカレントがあるため、ガイドから離れないよう、事前にガイドからブリーフィングを受けていた。が、写真派の二人は、回遊魚の撮影にハマッてしまい、透明度もいいことからガイドの吐く泡がかろうじて見える辺りで撮影をしていた。
ところが、撮影に夢中になっているうち、耳に圧力を感じて水深計を確認したところ水深45mに! 驚いて周りを見回すが、ガイドの姿は見えない。二人ですぐに浮上のサインを出し合い、浮上しようとするも、ダウンカレントにはまっているらしく、全然浮上できない。特にドロップオフの壁沿いは激しかったのだが、ロッククライミング方式で、カメラをあちこちにぶつけながら壁を登って行き、ようやく水深18㍍ぐらいの棚に上がったところで、流れは緩やかに。
心配したガイドが、棚の上で待っていてくれたおかげで、事なきを得たが、Hさんはロッククライミング中にダイブコンピュータを、Iさんはスノーケルの先端にあるマウスピースを流されていた。しかも、棚に上がったところで、二人のエアは残り30bar以下に。呼吸も過呼吸気味になっていたため、安全停止をする余裕もなく浮上する羽目になってしまった。

直接の原因海況の急変、ガイドから離反

対処法

 まず、ダウンカレントにハマらないための対策。
まずガイドがその海をよく知っていると考えていい。どこに行けば危ないか、どこを通ればより安全か、潮を知っているはず。ドリフトダイビングの際、特に流れがあるときは、ガイドと同じ水深、コースをとって潜るのが原則なので、Hさん、Iさんはガイドから距離を取り過ぎて移動していたことになる。
ガイドの姿が見えればいいというものではない。特に外洋では透明度がいいので、離れがちだが、グループでタイトに動くことが必要だ。

 次に、ロッククライミングで必死に上がっていったとのことだが、ダウンカレントにハマッた場合、 4~5㍍横にズレるだけで、全然流れが異なる場合がある。試しに斜め上向きに、壁から離れれば、ダウンカレントは避けられた可能性も大。"さらに強いダウンカレントが発生していたらどうしよう"と考えると勇気がいることだが、魚の泳ぎ方や自分やバディが吐いた泡を確認しながら、バディ同士で移動してみてもよかったかもしれない。

怖がらせるために書いているわけではないが、ダウンカレントにはまって行方不明になり、ダイビング中に死亡している事故も過去に何例かある。流れがよく発生する海では、くれぐれもガイドの指示に従い、ガイドから離れないようにしてダイビングをするようにしよう。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
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