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シリーズDive Indonesia Vol.2
インドネシアのど真ん中にある宝の海
ラブアン・バジョー&コモド
Labuan Bajo, Komodo

ラブアン・バジョー&コモド

まだ日本から海外に潜りには行けない日が続きますが、コロナ禍が収束したら出かけたいのがインドネシア。
北アメリカ大陸ほどもある広大な海域に散らばる17,500余りの島々にはたくさんのダイブエリアも。
今回は、日本のダイバーにもおなじみのコモドと、その発着地で目覚ましい発展を遂げているラブアン・バジョーの海の魅力をご紹介♪

※2021年4月現在の情報です

ラブアン・バジョー&コモドで見るべき魚&シーン

そもそもラブアン・バジョーとは?

コモド(Komodo)といえばコモド・ドラゴン(世界最大のオオトカゲ)や、その貴重な存在から1991年には世界遺産にも登録されたことで有名。日本人ダイバーの中には「マンタトレインが見られる海」「ハナダイの仲間がぐちゃっと群れている華やかな海」ということで「潜ってみたい」と思っている方も多いと思いますが、では、「ラブアン・バジョー(Labuan Bajo)」ってどこ? 何⁇という方も多いのではないでしょうか。コモドに一度でも行ったことがある方は、コモドへのダイブクルーズ船が発着する港と空港がある町として覚えていらっしゃるかもしれませんが、Labuhan Bajo(ラブハン・バジョー)ともいわれる、赤道のほぼ直下に連なるインドネシア南部の島々のほぼ中央にあるフローレス島の西部にある町です。
コモド島周辺のダイビングが盛んになるにつれ、ラブアン・バジョーにもダイビングサービスやリゾートが次々に誕生し、クルーズだけでなくデイトリップでコモドを楽しむ人たちが集まるようになってきています。10数年前までは小さな商店や飲食店にゲストハウスぐらいしかない、ひたすら自然いっぱいの町だったのに、今やダイビングサービスが35店、オシャレで洗練されたリゾートホテルもちらほら。見違えるほど素敵な場所になっています。
そんなラブアン・バジョーとコモドの周辺で、どうせ潜るなら必ず押さえたい魚やシーンについて現地のダイビングガイドさんに伺いました。

ラブアン・バジョーの港

ラブアン・バジョーの港

絶対押さえたい2大スポット

「コモドはマンタ、サメ、マダラトビエイ、イソマグロ、ロウニンアジやギンガメアジ、カンムリブダイ、ナポレオンといった大物で非常に有名です。でも、小さな魚の豊富さも驚異的なのです」

特にということで挙げてもらったのが、
「タタワ・ケチル(Tatawa Kechil)」
「カニバル・ロック(Cannibal Rock)」
の2カ所です。

「タタワ・ケチル」はとても小さな島にあるスポットですが、ダイバーの間では高い評価を得ています。この水中のプレイグラウンドはコモドの定番といえます。地形もおもしろく、スイムスルーと小さなケーブ、ボミー(根)やクレバスの組み合わせが特徴的です。そこには膨大な数の魚、多種にわたる魚が生息しています。例えばリーフシャーク、アジ、ツバメウオ、フエダイ、ハタ、コショウダイといった魚たちがそこここにあふれています。

地形が楽しめるということはあまり知られていませんが、あるのです

地形が楽しめるということはあまり知られていませんが、あるのです Wolang, Alor, East Nusa Tenggara

「カニバル・ロック」は、フォト派の中でもマクロ派やコモドの珍しい海洋生物を見たい人に確固とした人気を誇るダイビングスポットです。海底からそびえ立つシーマウント(大きな根)は無脊椎動物(珍しいシーアップルやホヤの仲間など)と色とりどりのソフトコーラルで有名です。潮流から遮られた場所になっていて、生息するのには理想的なスポットなのです。ほかにもカエルアンコウ、ピグミーシーホース、ウミウシ、コールマンシュリンプといった人気の生物が多数見られます。

コモドのダイビングスポットについては下記もご覧ください。
http://dive.indonesia.travel/

ウミウシの生態行動もおもしろい

ウミウシの生態行動もおもしろい Waenilu, Rinca Is. Komodo National Park, East Nusa Teggara

ピグミーシーホースも多数見つかるし、種も色もバリエーションが豊か

ピグミーシーホースも多数見つかるし、種も色もバリエーションが豊か Alor, East Nusa Tenggara

ラブアン・バジョー&コモドで会いたい魚や生物

大物ぞろいの海

コモド島周辺の海は流れがあることでも知られていますが、強い流れは栄養分が豊富な水をもたらし、サメ、マンタ、ヒメイトマキエイなどの大型種やジュゴン、クジラなどの哺乳類を引き付けます。コモドエリアは「コーラルトライアングル」と呼ばれる世界でも有数のサンゴ礁地帯の一部です。
有名な「The Cauldron(コールドロン)」というスポットでは「大釜」という意味の名前が示す通り、狭い水路のふもとに巨大な釜のようなえぐれた海域があります。片方にはマクロ生物がズラリ、底にはサメや魚たちの超大群と、そのコントラストを楽しめます。
「バトゥ・ボロン」はコモドで最もよく知られているピナクル(塔のような根)のスポットですが、魚たちがまるで磁石のように根についていて、とても華やかです。しかも中層ではサメやイソマグロが小魚の群れに突っ込んではハンティングしているシーンにもお目にかかれます。ほかにもエビ・カニなどの甲殻類やウツボ、ウミガメをはじめたくさんのリーフフィッシュがいて、マクロ生物も多数見られます。

魚影の濃さもハンパではないけれど、海底を埋め尽くす生物の多さも多い

魚影の濃さもハンパではないけれど、海底を埋め尽くす生物の多さも圧巻 Pura Is., Pantar Serait, Alor, East Nusa Tenggara

コモドエリアの固有種

陸上に生息するコモド・ドラゴンを忘れてはなりませんね。
ほかにシーアップルというナマコの仲間(和名はアデヤカキンコ)は固有種ではありませんが、ほかではなかなか見られない生物ですので、ぜひチェックしたいところ(ただし、南部の「カニバル・ロック」などの海域でしか見られません)。
また、コモドカーディナルフィッシュというコモドの名前が付いているテンジクダイの仲間も見ておきたいところです(地味なのであまり人気はありませんが……)。

くぼみの天井についているので逆さになっている、シーアップル

くぼみの天井についているので逆さになっている、シーアップル

ダイビングスタイル

ダイブクルーズ、リゾートどちらにする?

ラブアン・バジョーやコモドのダイビングスタイルは大きく分けて、ダイブクルーズとリゾート滞在の2つ。
ダイブクルーズはバリ島から出るものもありますが、日本発着のツアーではラブアン・バジョーまで飛行機で向かい、ラブアン・バジョーの港で乗船・下船。7~8日間で3~4日間のダイブクルーズを楽しむという行程になります。船によってキャパシティも異なりますが、定員数が多くはないので、連休がらみの日程は早めの予約が必要となります。
一方、ラブアン・バジョーのリゾートホテルやゲストハウスなどに滞在して現地のダイビングサービスが開催するデイトリップや、ショートクルーズでダイビングを楽しむスタイルも人気です。日程の自由が利くので、現地に2日間、日本発着5日間という短期間の旅も可能。時間がない方にもチャンスというわけです。
日帰りでは上記の「カニバル・ロック」へは普通行けませんが、「タタワ・ケチル」は狙えますので、ぜひいかがでしょう。

ダイブクルーズ船は多数

ダイブクルーズ船は多数

滞在型のメリット

ちなみにコモド島には宿泊施設はありません。滞在するのはラブアン・バジョーとなります。ほとんどのリゾートやコンドミニアムは通常サイズでも快適なバスルームやベッドが必ずあります。目的がダイビングでも、快適に過ごせることウケ合いです。
また、ダイビング以外でも町やビーチを歩いたり、ジャングルトレッキングを楽しんだりすることも可能です。
プライバシーを大事にしたい方なら、ホテルの部屋でも、ビーチでもすぐに見つかるでしょう。ダイビングボート上でももしかしたら自分だけのスペースが見つかるかもしれませんが、ほかの時間はほかのゲストやクルーたちと一緒に過ごすことになります。船上は雰囲気が素晴らしく、みんな仲良くなることもあります。
一緒に旅行に行く方がダイバーでない場合、あなたがダイビングをしている間は、同行者はプールでのんびり過ごしたり、買い物やトレッキングなどに行ったりすることもできますので、日中は別々に過ごしてもいいという方にオススメです。

ダイブクルーズの長所

一方、ダイブクルーズの場合、生活条件に関していえば時として陸上滞在よりも忍耐が必要となる場合がよくあります。でも、でも! ダイビングが大好きな方やフォト派にとっては、手つかずの珍しいスポットでダイビングができますし、一日4~6ダイブが可能にもなります(日本人向けのダイブクルーズは最大4ダイブが普通です)。
ダイブクルーズは、多くの島々を探検したり素晴らしい水中世界を潜って楽しめたりできるというわけです。

コモド・ドラゴンが生息しているエリアは限られていて、ダイブクルーズでは上陸してウオッチングする機会がある

コモド・ドラゴンが生息しているエリアは限られていて、ダイブクルーズでは上陸してウオッチングする機会がある

ラブアン・バジョー&コモドを潜るのに必要なスキル

アドバンス以上が理想

コモド島周辺の海はカレント(流れ)があることで知られています。ですので、できればアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバーのCカード保持者で、50本以上の経験があることが望ましいです。

シーズナリティ

ダイビングのベストシーズン

コモド島周辺では一年中ダイビングが楽しめます。一応、ベストコンディションといわれているのは3月から10月頃です。でも、皆さまが大好きなマンタは雨季の12月から2月のほうが数が多くなります。ただし、雨季はクローズしているダイビングサービスもありますので、実際に訪れる際はダイビングサービスの状況を尋ねるといいです。
透明度という点では11月から1月がいいです。ただ1月から3月にかけては風が吹いて波が立ちやすいけれど、悪くはないといった感じです。

一年中狙えるマンタだが、特に12~2月が狙い目

一年中狙えるマンタだが、特に12~2月が狙い目

アフターダイブ情報

ダイビング以外のアクティビティ

ラブアン・バジョーではトレッキングが人気です。例えばCuncang Wulang Waterfall(クンカン・ウラン滝)やLiang Ndara Village(リアン・ンダラ村)の文化を学びに出かけたり、Cermin Cave(セルミン洞窟)やRangko Cave(ランコ洞窟)などの洞窟を巡ることもできます。

気になる食事

クルーズ船ではそれぞれに特徴がありますが、インドネシア料理を主体としたインターナショナル料理を提供している船が多いと思います。
ラブアン・バジョー滞在の場合、メインとなるのはシーフードです。魚介類を焼いたりゆでたり煮込んだりしたものをいただくことになります。
ユニークな料理をお求めの方には、Kolo Labuan Bajo(コロ・ラブアン・バジョー=ヤシの葉などで巻いて蒸したまぜご飯)、Kuah Asam Fish Soup(クアーアサム・フィッシュスープ=レッドスナッパーを使ったエスニックなスープ)、Kompyang Labuan Bajo Bread(コンピャン・ラブアン・バジョー・ブレッド=外側がパリッとしたパン)などがあります。

インドネシア

Wonderful Indonesia
行けるようになったらすぐに飛んでいきたい海がいっぱい!

17,500余りの島々から成るインドネシア。
海も陸も自然や文化にあふれ、訪れる人を虜にしてやみません。
コロナ禍が収まったらすぐにでも行けるよう、Webサイトなどでぜひ心の旅を楽しんでください。

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