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STOP! 潜水事故
CASE37 カメラが岩に挟まってエア切れに

CASE37 カメラが岩に挟まってエア切れに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

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CASE37 カメラが岩に挟まってエア切れに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

4月のある週末。
事故者はスタッフ3名に引率され、25名のグループでダイビングに出かけた。
1本目、ゲストは2グループに分かれ、事故者は計12名、現地インストラクター1名とともにダイビングスポットに向かった。
潜水開始前、同インストラクターが全員にブリーフィングを実施。
潜降後しばらくして、インストラクターの指示で約40m先の根に移動する際、事故者の残圧が110barだったことをインストラクターは確認している。
根に到着して、再び違う根に移動しようとインストラクターはタンクを叩いて周りにいるダイバーの人数を確認したところ、事故者がいない。
近くにはいるはずと、インストラクターが全員をその場に残して探したところ、十数m離れたところで事故者が倒れているのを発見。
意識がなく、残圧もなく、事故者のカメラ本体が岩に挟まっていた状態だった。
急いで事故者をボートに引き上げ、ほかのダイバーに浮上の合図をし、先にインストラクターはボートに上がってCPRを施しながら、ほかのダイバーがボートに上がるのを確認後、港へ。
事故者は救急車で運ばれたが、病院で死亡が確認された。

直接の原因エア切れ

対処法

ふと目を離した隙に、ダイバーが事故を起こしている……という潜水事故が後を絶たない。
でも、この事故には危険な穴が多すぎる。
事故者のご冥福を祈りつつ、でも、この事故は事故になるべくしてなってしまったという気もしないでもない。
その理由は……
1)1グループの人数の多さとインストラクターの人数の少なさ
2)バディシステムが機能していない
3)撮影に夢中になっていたのか、それともカメラの扱いが下手だった
4)本人の残圧確認の不足

まず1だが、 この事故、実はだいぶ前のことで、おそらくダイバー1人に対するゲスト数は改善されているはずだ。実際は筆者たちの知らない所で、1対12などというグ ループダイビングが行なわれているかもしれないが、最近はどこも少人数制をうたっていて、多くてもダイバー8人ぐらいまでになっている。はずだ。
もしも、いまだに大勢で潜っているとしたら、自分の命にも関わってくることなので、はっきりと意義を申し立てるべきだ。 でも、その前にそんな潜り方をするダイビングショップやダイビングサービスに行かないのがベスト。

この事故で腑に落ちないのは、引率したインストラクター3人は、この12名のグループを現地インストラクターに任せていた点。
せめてインストラクター3人のうち1人、アシストとしてついていくことはできなかったのか?
現地インストラクターの側としても、知らない(もしかしたら知っていたかもしれないけれど)お客さんを12名担当することになったら、怖いだろう。それとも普段から普通にやっているから、感覚が麻痺していて「大丈夫だ」と思い込んでいたか?

原則としては、Cカードを取得しているダイバーは、自己管理ができるので、インストラクターはダイバーの一人一人の面倒を見る必要はなく、理論的には何人でも連れて海に入れることになっている。
でも、自己管理ができるダイバーが勝手にはぐれてエア切れになって死んでしまうだろうか?
違うと思う。 事故者は決して自己管理ができる人ではなかったはずだ。
(突然、心臓麻痺などで亡くなったのだったら、別だが。でも、エアがなくなっているということは特に急病を発したものではないはずだ)。

2のバディシステムが機能していなかった点。
海外ではバディシステムが徹底されているので、日本スタイルのインストラクターやガイド依存型のダイビングはあり得ない。でも、厳然とまだ行なわれているのがこれ。
バディよりもインストラクターのほうが信じられる。
それもあるかもしれない。 でも、遠くのインストラクターより近くのバディ。
海ではバディとともに行動し、問題が出れば解決していかなくてはならない。
が、この事故者ははぐれてしまったことを、インストラクターしか気づいていないことからも、バディはいなかったものと考えられる。
たとえ1人1人のダイバーが集まるグループだったとしても、潜る前にバディを決めて、器材のセッティングからバディ同士で助け合い、コミュニケーションをとることが必要だ。

3のカメラ問題。
エアがなくなったのは、水中撮影に夢中になったからか。
はたまた岩に挟まったカメラを抜こうと必死になって格闘してエアがなくなったのか。
いずれにしても、カメラで命を落とすことはあってはならない。
4の残圧確認の話にも絡んでくるが、撮影中でも3カットぐらい撮ったら残圧確認、といった感じで頻繁に残圧をチェックしておきたいものだ。
そもそもこの方、最初にインストラクターが残圧を確認した時点で110barしかなかったということは、ほぼダイビングの前半が終わって、そろそろ上がる準備に入る時間帯だったはずだ。
一人でのこのこ、ほかの人から外れて撮影をしている場合ではなかったはず。
また、インストラクターも、それだけの人数を連れておきながら、事故者のエアが折り返し地点まであと少ししかなかったのに、ちょっと先の根まで行ったのだとしたら、冒険的過ぎたのではないだろうか。

ダイビングの事故は、いろいろな良くない要素がからんで大きな事故に至ることもしばしば。
くれぐれも基本に戻って、バディシステムをしっかり守って、安全に、楽しく潜っていただきたいと思う。

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