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ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

第20回 中性浮力と水中での安定スキル

苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!

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オーバーウエイトのほうが安心なんですが

Q
ウエイト量について。完全な中性浮力よりも少し重めのほうが潜降しやすく、安全停止中も浮上しにくい気がする。ただ、ダイビング中は重いかなと感じて地を這いやすくなってしまう。やはり、完全に中性浮力のほうが良いのでしょうか? 急浮上を恐れて、ややオーバーウエイトだと心理的に安心しているだけなのでしょうか? ダイビングはミラーレスのカメラで撮影してるスタイルです。
(くじら)

A
ぶっちゃけ、オーバーウエイトのほうが潜降も水中撮影も楽ですよね。正直、ちょっとオーバーくらいがいいと思います。
ただ、オーバーウエイトの危険性を知っておくのも大事です。水面でエア切れやミス、BCDが故障してエアが入らない場合にオーバーウエイトだと、かなりやばいです。なので、オーバーウエイトにするとしても、BCDにエアが入ってなくても軽くフィンキックすれば、楽に浮かべるくらいにしたほうがいいです。
オーバーウエイトに慣れてしまうと、ウエットスーツを使い込んできて浮力が減少しても同じウエイト量のままで、実はどんどんオーバーになってる人も多いです。たまに、ウエイト量のチェックをした方ほうがいいですよ。
あとは、泳いでる時は、地を這わないように、しっかりBCDに入れて中性浮力にしましょう。オーバーウエイトな人は、深場だと結構BCDにたくさんエアを入れないと中性浮力にならないので、気をつけてください。オーバーウエイトで潜る人は、常にちゃんと中性浮力をとるのは最低限のマナーだと思います。

中性浮力を視線や呼吸で調整する方法は

Q
ドリフトしてるのに泳いでると言われます。中性浮力が下手なんだと思います。BCで調整してますが、視線や呼吸で調整する方法をアドバイスくださいませ。
(えりか/20年)

A
ドリフトで頑張って泳いでる人、たまに見かけますね~。ドリフトの中性浮力は、実は結構難しいんです。安全停止中にぴったり止まってホバリングしてる状態で流されていくイメージです。安全停止の時もドリフトで流されてる時も、フィンキックしないで呼吸とBCDの調整だけで止まります。その時にフィンキックしてる人は、中性浮力をフィンキックで誤魔化してるって状態なんですよね。
中性浮力をうまくとるには、「フィンキックで誤魔化さない」ようにするのがポイント。ずっとフィンキックをし続けるのではなく、軽く弱めに時時キックするようにします。徐々に沈んでいくようならBCDに少しづつエアを入れるようにしましょう。
視線や位置取りは、ドリフトダイビングでは、重要です。ドリフトダイビングは、たいがいドロップオフかブルーウォーターのポイントが多いです。
ドロップオフの場合は、ドロップオフの内側と外側、上側と下側で全然流れが変わることが多いです。ガイドは、ちょうどベストな楽に楽しめる位置を流されて行くのですが、ゲストが違う位置を流されれば、スピードが違うのでフィンキックで加速したり、減速したりする必要が出てきます。
ポイントは、ガイドと同じ位置、同じルートをガイドと少し距離をとって流されるのが大事です。その時の姿勢と視線は、ガイドと同じにしましょう。ガイドと同じ方向を向くような体勢にして、視線だけガイドを見るようにします。ガイドも流されてる位置を調整するためにフィンキックするので、同じ向きなら、同じコントロールができます。簡単に言えば、ガイドのマネをしてればいいんです。
ブルーウォーターのドリフトでは、上側と下側で流れが違う場合もあるので、ガイドと同じもしくは少しだけ浅めの深度をキープするようにしましょう。ブルーウォーターだと浮力調整が難しくなるので、深度を下げたら気づいたらマイナス浮力になっていき、いつの間にかフィンキックで誤魔化し始めることになるので、さっき話したフィンキックで誤魔化さない中性浮力を意識してコントロールするようにしましょう。

変化する水深にも対応できる中性浮力とは

Q
中性浮力がまだまだ上手くとれません。Youtube等を見ても"その水深での中性浮力の取り方"の解説はよくありますが、実際のダイビングでは徐々に水深が変わるにつれて浮力調整がいると思うので、水深が変わる中での中性浮力の仕方を知りたいです!
(ノーネーム/5年/120本)

A
水深が変わった時でも中性浮力を取り続けるには、ドリフトでの中性浮力の質問でもお答えしましたが、フィンキックで誤魔化さないようにするのがポイントです。水深が深くなるにつれてマイナス浮力になりますが、泳いでいるとフィンで推進力以外に浮く方向にもキックしてしまい、無意識にフィンキックで誤魔化してしまいます。
じゃあどうすればいいかと言うと、水深が変わったら、少しの間、フィンキックを弱めるか一度止めてみてください。それで沈んだり浮いたりしてきたらBCDを調整しましょう。その時の呼吸は、止めたり、吸いすぎたりしないで一定ペースの普段の呼吸をしてください。

止まっているのが苦手。水平方向にも動く

Q
止まっているのが苦手。中性浮力ではなく波やうねりに対して。安全停止中などロープがあってもあちこち身体が動いてしまう。他の人にも迷惑になるので上下ではなく水平方向の動きを制御したい。もうビギナーではないのに苦手なのは単純にスキル不足?
(ヨウ/100本以上)

A
おそらく原因は、全身の浮力のバランスが悪いか、中性浮力の誤魔化しかな?と思います。
バランスが悪い状態って足が浮いているのが原因なのが多く、足が浮くのを修正するためにバタバタしてしまうんですよね。足が少しだけ沈み気味になれば、体は安定してきます。それには姿勢も大事で胸を張って頭を上げるようにすれば安定しやすいです。逆に頭を下げて下向くと人間って頭が一番重いので体が浮いてしまいます。その時の呼吸も大事で、バランス悪くてバタバタしてると呼吸も乱れるので吸いがちになって浮き気味になってしまいます。しっかり吐く呼吸をしましょう。
また、ウエイトの位置の調整で解決場合もありますよ。足の浮力が大きい人は、常に足が浮き気味になるので、バランスが悪くバタバタしてしまいます。ウエイトの位置を下気味にお尻の辺りまで下げると足が少し沈むので、バランスかよくなります。試してみてください。

水中写真の撮影時に中性浮力を保ちたい

Q
水中写真を撮っている時に夢中になると中性浮力が保てなくなることがあります。どうやったら安定して写真が撮れますか?
(ぴろ。/130本)

A
水中撮影で中性浮力が保てなくなる状況ってことで2つのシチュエーションを想像しました。
1つは、中層で群れや大きめの生物を撮影してる時に、気づいたら、浮いたり、沈んだりしてしまう状況。もう1つは、着底して小さい生物を撮影していたら、体が浮きそうになってしまう状況です。
中層の場合は、夢中でカメラの画面越しに被写体を見てると、周りが見えてないので、いつの間にか浮いたり、沈んだりしてしまったりします。こんな時にちゃんと中性浮力取るには、カメラの画面に集中しないで、周りやダイコンを見ながら、コントロールするようにしましょう。群れや大きい生物なら画面に集中しなくても撮影できるので、カメラの画面は、風景の一部として、チラ見くらいでいいと思います。
着底して撮影してる時に浮きそうなるのは、撮影に集中して、呼吸を止めがちになったり、吸い気味になったりして、浮いてしまいます。しっかり吐くのを意識して撮影するようにしましょう。
どちらの場合も、カメラの画面に集中し過ぎないで、周りも見ながら撮影するようにしましょう!

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プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん

東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

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ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。

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