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STOP! 潜水事故
CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流

CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

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CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は友人2名とともにボートダイビングに参加。
午前中は3人で一緒に潜ったが、午後になって友人の一人が船酔いをしたため、休むと言い出した。そこでもう一人の友人と二人でダイビングをしたところ、 友人のエアが早く20分ぐらいで上がると言い出した。もう少し潜っていたかった事故者は先に友人に浮上してもらうことにし、自分は一人でダイビングを続け た。
ダイビングが終わって浮上したところ、自分の位置がボートの南南西約300m離れていたため、自力で戻ろうとしたが、折からの風浪のために戻ることがで きないと判断し、タンク残圧でエアホイッスルを鳴らした。しかし、ダイビングボートは気づかず、流されるままになってしまった。夕方になって、漁船が近く を航行してきたので、水中ライトやエアホイッスルで合図を送ったところ、ようやく漁船が気づいてくれ、救助された。

直接の原因漂流

対処法

事例から、漂流するに至った原因、助かった要因など、良きにつけ悪しきにつけ、さまざまなことがわかる。

まず大きな分かれ道になってしまったのが、
友人との離反
この事故の最大要因ともいえるのがこのポイントだろう。

友人、つまりバディにあたるのだが、この場合、事故者も友人もバディシステムの意識が非常に低かったように思う。
ダイビングの基本はバディシステム。日本ではガイド一人に対して何人かのダイバーがついていくシステムをとっているところが多く、バディシステムが機能し ていないということはよくいわれることだが、この事故の場合、ボートダイビングではあるが、ガイドがついていたフシはないので、バディダイビングをしてい たはずなのだ。なのに、バディのエアがなくなっても一緒に浮上しなかったことは非常に問題だ。

先に浮上したバディに何事も起らなかったから良かったが、それはたまたま運が良かっただけ。 もし何かが起こったら、この友人も、事故に遭っていた可能性もあるのだ。

さて、事故者はバディと別れた後、単独潜水をしていたことになる。
これも安全ダイビングでやってはならないことの一つ。

そして、浮上したところ、船が遠く、漂流

いくつものミスが事故を招いたといえる。

浮上後、BCにエアを入れて浮力を確保したことはとてもいいことなのだが、潮に乗ってどんどん流され、日は暮れて……。

気持ちを強く持たなければ、途中で溺れたり、海水を飲んでしまったりして危険な目に陥ったかもしれない。

暗くなってたまたま漁船が通りかかった船に、水中用のライトを使って存在を知らせたことで助かったわけだが(走っている船にホイッスルが聞こえたとは思えないが、もしかしたらホイッスルも有効だっただろうか)、事故者を救ったのは水中ライトだったのではないだろうか。
万が一のときのために、こうしてライトを携行しておくこともポイントだ。

事故者が助かって本当によかった。
この潜水事故事例から私たちが学ぶことは、
・バディシステム厳守
・単独潜水はしない
・水中ライトの携行
・水面では浮力を確保
といったことだろうか。

それにしても・・・
友人のエアが早かったとあるが、ダイビング開始時に残圧はしっかりとあったのだろうか?
余りのタンクを使っていたのではないか。それに気づいていなかったのではないか?
という疑問も残る。

また、もう一人の友人は、船酔いは気の毒だったが、ダイビングをやめる結論に達したことは、正しい判断だったと思う。

いずれにしても、事故はさまざまなミスが積み重なって起きることを思い知らされる事例である。
皆さんも細心の注意を払って、ダイビングに臨むようにしていただきたい。

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