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STOP! 潜水事故
CASE23 水深40mを潜り、減圧症の疑い

CASE23 水深40mを潜り、減圧症の疑い

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

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CASE23 水深40mを潜り、減圧症の疑い

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者(20代男性)のほか、インストラクター2名、ゲスト2名の計5名でダイビングを開始。約10分後に最大深度40mまで潜水し、そこに約2分停止した後ゆっくり浮上を開始した。水深30m付近に来たところで事故者が右手の異常を訴えたため、インストラクターと事故者の2名で浮上を開始。水深5m付近で事故者は再び右手の異常を訴え、インストラクターの減圧指示を無視して浮上してしまった。 船上で休んでいる事故者を見ると、意識が朦朧としていたため酸素吸入の応急処置後、病院に搬送された。

直接の原因減圧症に罹患した疑い、急浮上

対処法

 無茶なダイビングをしていないか?

 ダイビングインストラクター2名に対し、ゲストダイバー3名というのは、安全面では問題はないのだが、最大深度40mに行くこと自体、どうなのだろう?
水深40mに潜るための装備、計画はしっかりしていたのだろうか? ゲストにそうしたスキルはあったのだろうか?
公表されている事例を見ただけでは、わからない部分が多すぎて疑問があふれるように出てきてしまう。

 レジャーダイビングの最大深度は39mといわれるが、実際に空気潜水、1本のタンクで安全に楽しめるのは水深30mまでだろうと、多くのダイビングサービスや地域で最大深度を30mと決めている。つまり、それを超えるということは、それだけリスクが増えるため、十分な潜水計画、知識、準備が必要なのだ。また、ダイブコンピュータで表示される無減圧潜水時間(減圧不要限界時間)についても余裕を持って潜り、減圧停止をしなくてもすむように計画して潜る必要がある。
テックダイビングで減圧停止を前提に潜る場合も、より安全な計画が必要だ。

事故者の「右手の異常」がどの程度のものかはわからないが、しびれる、関節が痛い、感覚がない、といった減圧症ならではの症状だったとしたら、窒素が体にたまりすぎて飽和状態になり、そういう状態になったのではないかと考えられる。ただ、このダイビングが 1本目であればダイブコンピュータ上で減圧停止は出ていないはずだから、減圧症になることはあまり考えられない。けれど、窒素が体の組織に溶け込んでいく速度には個人差もあるので、この事故者は窒素を取り込みやすい体質だったともいえる。

 そういう体質の方もいるから、やはりディープダイビングはリスクが高いともいえる。
減圧症になってしまったとしても死ぬことはなく、治せばいいだけ。でも、将来もダイビングがしたいのなら、もう二度とかからないように、安全に潜ること=この事故者の場合は、深場にはいかないことを心がけよう。

 ちなみに船上で意識朦朧の事故者に酸素吸入をさせたとあるが、減圧症が疑われる場合、酸素吸入は非常に大事な応急処置。酸素を吸うことで、窒素の排出が速くなるためだ。
沖縄県をはじめ国内のダイビングサービスでは、すぐに酸素が吸える環境を整えている船や施設が増えてきているが、ダイビングサービスを選ぶときに、応急処置用の酸素を常備しているかどうかもぜひチェックしてほしい。
安全に対して真面目に取り組み、準備をしているダイビングサービスを選ぶことも、私たちダイバーには必要なことなのだ。安全のためにダイビング料金が高くなっている場合もあるので(逆に安くても企業努力でしっかり安全対策ができているダイビングサービスもあるかもしれない)、値段だけを見て選ぶことのないようにしたい。

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