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地球の海 フォトコンテスト2018
自由部門 上位入賞作品

自由部門 上位入賞作品

グランプリ

火口を覗くと
島田 暢/東京都

キヤノン EOS 5DMarkⅢ EF100㍉F2.8LマクロIS シーアンドシー YS-D2 f11 1/80 秒 ISO200 インドネシア・アンボン 水深12㍍

この度は思いもかけない名誉な賞に選んでいただき誠にありがとうございます。私がふだんの撮影時に心かげていることはバック の色合いです。背景を生かせれば、自然に被写体が引き立ちます。 被写体の大きさや配置もバックの邪魔にならないように考えます。 この写真はマクロな被写体が多いアンボンで撮影したものですが、 この日は大潮の影響のため穏やかな内海でもかなり強い流れがありました。思うように後戻りできない状況でしたが、なんとか撮影した中の 1 枚です。思った以上に鮮やかな色が出ていて良かっ たです。これからも「海中にある様々な艶色」をテーマに撮って いきたいと思います。

審査員作品評

福永友保
被写体や撮影技術などを論ずるべき作品ではありません。パッと見て感じる写真なんです。技巧派ではなく、天才肌というのでしょうか。写真には2 タイプあって、被写体や技術を理解して共鳴したり驚いたりするものと、何が映っているかよくわからない、けれど「なんかいい!」というものと。例えば、絵画の世界でピカソやキュービズムの絵をどのレベルで理解しているかといえば、見る人みんな違うでしょう。しかし、その作品の目の前に立てば、誰もが絵の魅力、迫力を感じる。写真にもそういったタイプのものがあり、この作品はその典型だと思います。

高砂淳二
広場か草原のように見える情景が絵画的で、部屋に飾っておきたくなる作品です。これはイソギンチャク? サンゴかな((編)撮影者によるとシャコガイの外套膜)。グリーンとピンクと赤、この色合いだけでもきれいなのに、そこに小さく出しゃばらないようにハゼがいる。適度に奥行きもあります。画面の切り取り方がいいのでしょう。

準グランプリ

深海からの老兵
市村賢二/神奈川県

オリンパスPEN Lite E-PL5 M.ZUIKO DIGITAL ED12-50㍉ F3.5-6.3EZ PT-EP10 YS-110α f6.7 1/90 秒 ISO200 静岡県・大瀬崎 水深6㍍ 大瀬館マリンサービス

大瀬崎の湾内の中層を目指すポイントに向かっている最中、ふと目線を上げると大きな魚のシルエットが見えたので接近したところ、驚くほど力強い目をしたミズウオが方向を変え、私の目の前を悠然と横切って行きました。その姿は、まるで昔みた写真雑誌に出てきた戦場の老兵士の様でした。今回、その時感じた気持ちを写真に表現しました。これからも自分の感じた気持ちが伝わる写真を撮りたいと思います。

審査員作品評

福永友保
「何だ、これ。煮干しの頭かよ」と思った方もいるのではないかと思います。でも、黙ってもう一度見てください、どうですか。殺人現場のような雰囲気を持っているでしょう。つまり、それは存在感であり圧倒的な迫力です。これは写真にとって大いなる魅力です。そのことに多くの方が気づいたとき、水中写真も変わってくると思います。華やかなサンゴ礁や珍しいものを探して地球の裏側に行かなくても、身近なところで360 度見回して被写体を探す。そういうドアを開く、切り口となる写真です。

高砂淳二
タイトル通り、水面に上がってきた深海魚(ミズウオ)。まさに瀕死の状況だと思います。そこに光をドンと当てて、眼やヒフのザラザラした質感を表現したことは素晴らしい。撮り方をモノクロ風にしていることも効果的。生命力というか魂が抜けているようで、無情さを感じさせる。よくここまで表現しました。写真というものをよく考えて撮ってらっしゃると思います。

第3位

躍動
加藤崇朗/静岡県

オリンパスPEN Lite E-PL7 M.ZUIKO DIGITAL 14-42㍉F3.5-5.6EZ PT-EP12 YS-D1+YS-D2 f20 1/250 秒 ISO200 インドネシア・アンボン 水深15㍍ Blue Rose Divers

いつもは岩の隙間から顔をニョキッと出し、鼻孔の先端が開いた花びらのような愛嬌たっぷりの「ハナヒゲウツボ」。でもこの日は、和名の「ハナヒゲウツボ」ではなく、明らかに英名の「Ribbon Eel」でした。全身はこんなに長いのか!!と、初めて見る姿に驚きながらも、その力強く、優雅に泳ぐ姿に興奮し、半ばパニックでカメラの設定をしていると、いつの間にか反転してこちらに向かって泳いできました。「ほんの数秒だが、何たる幸運!!」 その姿は、まさにRibbon Eel。絞りをぐっと絞り込み、大きく波打ちながら迫りくる姿を無我夢中で撮影しました。

審査員作品評

福永友保
これはまるでグラフィックデザインの世界のよう。アート作品です。ぼくは生き物のことはよくわかりませんが、この被写体の曲線の色とリズムが大変美しい。画面構成という点から見ると、右と下の黒い部分をトリミングしたいところですが、それを差し引いても魅力が損なわれることはないと思います。

優秀賞

入賞作品のうち、特に審査員の心に響いたもの、または最後まで上位入賞を競った作品です。

秋風抜き去って
鳥海貴之/埼玉県

ニコンD810 AF DXフィッシュアイニッコール 10.5㍉f/2.8G ノーティカム Z-240 f8 1/10 秒 ISO200 長崎県 水深0.5㍍ ダイビングサービス海だより

審査員作品評

福永友保
海の写真が圧倒的に多い中、淡水の世界は少数派。だからとても新鮮に感じられますが、それだけではなく素晴らしい。サンゴ礁の華やかな世界からすると地味に見えるかもしれません、でも多分、撮影者は派手さなど求めてはいません。泳ぐアユの優美な姿、躍動感をきれいに表現しており、美しい作品だと思います。

Octopus
大塚英俊/千葉県

キヤノンEOS5Ds R EF8-15㍉F4L フィッシュアイ ノーティラスNEO Z-240 f20 1/125 秒 ISO800 鹿児島県・奄美大島 水深20㍍

審査員作品評

高砂淳二
優秀賞の中で特に気に入った作品です。タコの習性や姿が魅力というだけではなく、構図もおもしろい。もしかしてドームポートに貼り付いてきたのかな。タコも撮影者も困った状況だったかもしないところを、逆にチャンスと捉えてうまく撮っています。きちんと眼が見えていて表情がわかるし、バックの青い色もいいですね。なかなか撮ろうと思っても撮れない作品です。

私が一番よ!
熊谷光剛/東京都

キヤノンEOS7D トキナーAT-X107DX FISHEYE F3.5-4.5 ノーティカム D-2000 ×2 灯 f6.3 1/100 秒 ISO200 メキシコ・ラパス 水深0.5㍍

審査員作品評

高砂淳二
ぼくはアシカが大好きですが、それだけで選んだわけではありません。3 頭がまとまって、しかも真ん中の1 頭はカメラ目線というチャンスを見事にものにしています。ちょっと現像の仕方がどぎつい感じなのが気にはなりますけれど。

童話の中の羊
Ann Sin /香港

キヤノンEOS7D MARKⅡ EF100㍉F2.8Lマクロ IS ノーティカム7Dmk Ⅱ Z-240 f22 1/250 秒 ISO400 インドネシア・バリ島 水深15㍍ Tulamben Dive Resort

荒波ひとり旅
小林 栄/大阪府

パナソニックLUMIX GX1 LUMIX G FISHEYE 8㍉F3.5 プロモファクトリー 自然光 f16 1/320 秒 ISO160 静岡県・伊豆海洋公園 水深5㍍ 珠屋潜水

えっ!海月姫?
手塚良平/神奈川県

キヤノンEOS30D EF-S60㍉F2.8マクロ ネクサス30D D-2000 × 2 灯 f8 1/100 秒 ISO125 静岡県・川奈 水深16㍍ 川奈ガイドサービスジェスター

ねぇねぇ遊ぼー
吉田裕之/東京都

キヤノンEOSKissX5 EF-S10-18㍉F4.5-5.6IS ノーチラス 自然光 f8 1/250 秒 ISO400 メキシコ・ラパス 水面下

螺旋
竹内眞弓/イギリス

ニコンD7100 トキナーAT-X107DX FISHEYE F3.5-4.5 ノーティカム Z-240 f16 1/80 秒 ISO100 パラオ 水深32㍍ パラオsiren

Firefly
椿智美/新潟県

ニコンD800 トキナーAT-X107DX FISHEYE F3.5-4.5 ネクサスD800 Z-240×2 灯 f11 1/125 秒 ISO1600 新潟県・佐渡島 水深0.5㍍ エス・ワァルド

エリア賞

世界の素晴らしい海の中でも、特にダイバーに人気が高いエリアの名を冠した特別賞。自由部門からは、パプアニューギニア賞と伊豆諸島賞、タヒチ賞の3賞が選出。

パプアニューギニア賞
大集会

福田孝子/神奈川県

ニコンD300 AF DXフィッシュアイニッコール10.5㍉f/2.8G シーツールND300 Z-240 f6.3 1/200秒 パプアニューギニア 水深10㍍

伊豆諸島賞
アオミノウミウシ

木元伸彦/東京都

ニコンD800 AF-Sマイクロニッコール60㍉f/2.8G f11 1/250秒 ISO200 八丈島 水面下

タヒチ賞
RANGIROA BLUE

荒川敏治/神奈川県

キヤノンEOS5DsR EF16-35㍉F2.8LⅡ ネクサス f8 1/200秒 ISO125 タヒチ 水深20㍍

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