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外れたタンクの直し方

基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術

ダイビング中、なんだかレギュレーターが後ろから引っ張られる感じがして振り返ると、タンクが外れそうになってる!! そんな経験はないだろうか? そんな時はどうすればいいんだろう? 直し方を考えてみる。

タンクが外れる兆候とは

潜るのが精一杯で、余裕がないダイバーの場合、最後までタンクが外れたことに気づいていない可能性がある。
もともとはBCのタンクベルトをちゃんと絞めないから、水中でベルトがさらに緩み、結果的にタンクが外れる。タンクをちゃんと絞めておけば、こんなことにはならないのだ。しかも、潜る前にバディとともにプレダイブセーフティチェック(バディチェック)をしておけば、回避できること。

バディチェックのやり方をおさらい

ま、それはさておき、こうしてベルトが緩んでしまうとタンクはダイビング中、ずり下がり(ずり上がることはない)、レギュレーターのファーストステージも下がっていく。中圧ホースがいくら長くても足りなくなるため、くわえているセカンドステージを後ろから引っ張るようになる。
こうして、そのダイバーはレギュレーターが引っ張られると感じるのだ。
後ろを振り返っても、タンクは真後ろにあるため、普通は見えない。
かなり首をひねって(180度近く)ようやくあるべき場所に、タンクがないことに気づくはずだ。
でも、視認するだけでなく、手をタンクのお尻。というか、タンクの底に回してみると、タンクが正常に付いているか、外れているかはわかるはず。
これは日頃から意識的にタンクの底を手で確認するようにしておくと、瞬時にわかるようになるだろう。

今回は水中ではなく陸で撮影しています。ご了承を

インストラクターかバディに直してもらおう

タンクが外れたら、一番いいのはバディかインストラクターまたはガイドに直してもらうこと。
ただ、水中でタンクベルトをしっかりはめ直すのは意外に難しい。特に中層でやろうとすると、バランスがなかなかとれず不安定なために、タンクベルトを通すのも大変だし、通した後にしっかり締め直すのも大変。できるだけタンクが外れた人には着底してもらって、ぐらつきがないようにするのがコツだ。

また、ずり落ちて行くタンクを上げるのにもコツがいる。タンクを片膝に載せてぐらつきをなくすといいだろう。

落ちそうなタンクを膝に載せるとタンクベルトに差し込みやすくなる

なお、本人以外のダイバーがタンクが落ちそうになっているのに気づいたら、いち早く本人に教えてあげることも大事。その際に、注意をこちらに引くように音で知らせたり、後ろから肩をたたいて「待て」のハンドシグナルで知らせたりするといい。 ただ、本人は何が起きているかわからず不審がる可能性も大なので、水中ノートなどで知らせるのが一番。常に何かコミュニケーションをとれるものを携行しておくといい。でなければ、インストラクターに知らせてから、水中ノート等を使って知らせてもらうか。

自分で直す方法

レギュレーターはくわえ続けること!

では、タンクが、外れたり、外れかけたりしているときに、周りに誰もいない場合、どうしたらいいだろう?
手を後ろに回してゴソゴソしたところで、緩んでいるタンクベルトは絞められない。ならば、いっそBCを脱いで、目の前で、自分で絞めたほうがいい。この時、気をつけるべきなのは、たとえBCを脱いでも、レギュレーターはくわえ続けるということだ。
ここ、大事。
特にBCを脱ぎきった状態で、くわえているレギュレーターまで口から外れてしまったら、命に関わることになる。とにかくレギュレーターはくわえたままで、絶対に外さないこと!
その上で

1 まず、安定して作業ができるような平坦な場所、できれば砂地に着底する。

2 ゆっくり深い呼吸で、体勢を整える。

3 BCの前のベルト類を外す

4 レギュレーターをくわえたまま、呼吸を続けたまま、BCから左腕を抜き、タンクごと右側から前に回す

5 BCから右腕を抜き、BCとタンクを目の前に置く

6 タンクを所定の位置に戻し、タンクベルトをしっかり締める。とにかく締める

7 BCの肩を持って引っ張り、タンクから外れないか、調べる

8 タンクベルトが外れないことがわかったら、右手をBCの右袖側に入れる

9 体を反転させ、左側にも左腕を通す

10 前のストラップ類をちゃんと締める

ジャーーン! 完成!!
これは、さらにウェットスーツを脱いで、トイレしたいときのスキルにも応用できるので、
マスターしておくと、どんなときにも困らないゾ。

大事なのはタンクが外れないようにしておくこと

こうしたスキルは、ぜひ練習して身につけておきたいものだが、ガイドさんやインストラクターにも何も告げずに練習すると、「どうした!? 大丈夫?」と無駄に心配させることになるので、くれぐれも、相談の上、練習してほしい。
まあ、まずは、タンクが外れないように自分で確実に最終チェックをすること、バディ同士でもさらにチェックすることが大事なんだけどね。

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