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基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第17回 ボート上のマナー

基礎からわかる!ダイビングスタート&スキルアップ術

ダイビングスポットまでササッと連れていってくれるボートダイビング。
本来は快適なのだが、ちょっとしたことで不快な思いをしたり、安全性が奪われることもある。
今回はスキルというよりはちょっと気になるボート上でのお作法についてご紹介!

ボートの上での器材の置き方、
アナタはできてる?

かなり昔、筆者が初心者の頃、ボートダイビングに出かけるたびにタンク&BC・レギュの置き方や私物の置き方でよく注意されたものだが、最近のインストラクターやガイドさんたちはあまり注意したり怒ったりしないのでボート上で「ものすごく気になって仕方ない」というベテランダイバーもきっと多いのではないかと思う。

伊豆半島や房総半島、神奈川などでは港からスポットまでの所要時間が非常に短い所が多いので、ダイビング器材を背負った状態で乗船し、船上でも装着したまま、フィンやマスクも手に持ったまま(もしくはそれらも装着)、といった状態だから言われるがままに船に乗り、エントリーとなったら、その場でマスクやフィンを装着……という感じ。
逆にマナーが気になることはあまりない。

ところが、沖縄や海外などに行くと、港を出発して30分とか1時間、ボートに揺られていることもザラ。

タンクはもちろん、乗船する前、または乗船してすぐに、揺れない所でセッティングはしておくものの、乗船中は装着しないで外しておくのが普通。
下手すりゃウエットスーツも直前まで着ないでいたりする。

それが悪いのではなくて、むしろ、開放感があって素晴らしいこと。

でも、タンクの正しい置き方、ウエットスーツや3点セットの正しい置き方、
あなたはできているだろうか?

船上では整理整頓が命

ダイビング専用ボートの場合、タンクホルダーがあって移動中はそこに置いておけばいいというボートも多い。

さらにベンチ式になっていて、個々の3点セットなどを入れたプラスチックBOXをベンチの下に入れるというスタイルのダイビングサービスは多い。

これなら整理整頓もバッチリだ。

ところが、そうした設備がない船の場合、ダイバーみんなの“整理整頓魂”が必要となる。

タンクは、レギュレーターをBCに収めた状態でコンパクトにまとめ、さらに3点セットもBCに入れて寝かせておく。
特にゲージ類はホースが引っかからないよう、注意深くまとめる必要がある。

そして寝かせる場所も、人通りのできるだけ少ない場所……。
船のヘリに沿わせて置くとか、みんなで1カ所にまとめておくとか。

そして、船の揺れでゴロゴロと動かないように、ウエイトなどで押さえておくことも必要だ。

幅が狭いボートではこのように中央にタンクをまとめて置くといい

幅が狭いボートではこのように中央にタンクをまとめて置くといい

場所が狭い場合でも上手に器材を収納

場所が狭い場合でも上手に器材を収納

ボートダイビングのパイオニア、《ダイビングチームうなりざき西表》のボートはとにかく機能的。カメラ置き場

ボートダイビングのパイオニア、《ダイビングチームうなりざき西表》のボートはとにかく機能的。カメラ置き場

私物はまとめて濡れない場所へ

私物はまとめて濡れない場所へ

ダイビングボートの種類とエントリー方法

なぜ整理整頓は必要なのか?

そもそもなぜ整理整頓が必要なのか?

見た目の問題とか、気持ちの問題では片づけられない切実な問題がボートダイビングにはある。

船はどんなに大きなタイプでも、スペースはかなり限られている。
アンカーにロープ、それに安全上搭載しておかなければならない浮き輪、ダイビングでいえば救命救急道具に酸素タンクなど。
それに全員が潜る本数分のタンク。

こうしたものをしっかりしまった上で、個人個人の器材を置くわけだから、どうしたって、収納BOXなどには収まりきれない。

散らかしておくと、誰かがそのそばを通ったときに足を引っかけて転んだりケガをしたりすることも大いに考えられる。船が揺れてコケた時に、その辺に散らかっている器材にぶつかり、ケガをしたり器材を壊したりすることだってあるかもしれない。
安全面で絶対に整理整頓が必要なのだ。

また、器材をいい加減な場所に置いてしまうと、何かの拍子に海に落ちてしまう場合もある。
実際に、海況が悪くて器材をごそっと落としたという事故もあるし、器材ではないが、一眼レフカメラを航行中に落とした方もいる。
命に関わることではないけれど、相当ショックである。

ということで、ボート上ではくれぐれも整理整頓を!

本当にきれいに片付いている《ダイビングチームうなりざき西表》のボート

本当にきれいに片付いている《ダイビングチームうなりざき西表》のボート

喫煙者の悪マナーもブーイングの的

ダイバーのマナーや船上マナーでいつも必ずトップクラスに上がるのが喫煙者のこと。

タバコを吸った後のポイ捨ては言語道断。
同じ海を愛する者として、許せない行為だ。
おそらくゲスト側のダイバーはそんなことをしないと思うが、船長や船のクルーにはまだそういうことをする人も。
インストラクターもあってはならないけれど、なくはない。
そうした船長やインストラクターのいるダイビングサービスはきっとゲストが離れていっているんじゃないかと思うが、いかがだろうか。

また、どこで吸うか、も問題。
船室は完全に禁煙だが、喫煙者は船の後ろの風下で、などとブリーフィングで説明される。
ただ船が停まっているときは船尾でも風上になってしまうこともある。
そういう場合はガマンするとか、場所を変えて風下側で吸わせてもらうようにお願いするとか、周りの人に気を遣うことが重要だ。

他人への思いやりも忘れずに

整理整頓もある意味、誰かがケガをしないようにという思いやりからくるものでもあるが、すごく混んでいるのにデッキで大の字になって寝たり、ベンチを占領して寝たりしている人もいる。

普段電車に乗るときと同じことで、自分がそうすることで迷惑がかかる人だっていることを考えたい。

もちろん、大型船にダイバーが1人か2人しか乗っていないような状況であれば、好き勝手をしてもいいかもしれないが、大勢で乗船するパターンのほうが多いと思う。

我が物顔に振る舞う人は、全員から白い目で見られることは必至だ。

ボートダイビングを楽しむ方も多いはず。
くれぐれも楽しく安全に!!

これはアリだと思うけど、落ちないように気をつけて(特に航行中はNG)。いざ、楽しいボートダイビングへ!

これはアリだと思うけど、落ちないように気をつけて(特に航行中はNG)。
いざ、楽しいボートダイビングへ!

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