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現地ガイドが見た
西表島 春夏秋冬ベストシーン

現地ガイドが見た 西表島 春夏秋冬ベストシーン

島の約90%が熱帯・亜熱帯植物の原生林に覆われているジャングルのような西表島。手つかずの大自然がそのまま残り、ここは本当に日本なの?と思わせる雰囲気が漂っている。自然と寄り添う島だから、四季折々に変化する景色の美しさは明瞭。今回は現地の海で活躍するガイド8人が、西表島で実際に見た年間ベストシーンを語ってくれた。

※2018年11月現在の情報です。

春夏秋冬ベストシーンであふれる西表島。どのシーズンも魅力たっぷりだから、どの時期に行くか迷いどころ
撮影:GOOD DIVE、スマイルフィッシュ ダイビングサービス、ブルーシーズン西表、メラマウリゾート

春からの西表島

春~初夏

育まれる命

この時期の海中では、命の連鎖を感じられる動きも。フィッシュウオッチングがますます楽しい季節。

《Mr.SAKANAダイビングサービス》笠井雅夫さんが見た!

水深10m以浅の内湾ならどこでも見られる、クロオビアトヒキテンジクダイの口内保育です。

春~秋

アカネハナゴイの群れ

西表島には標高300~400mの山々が点在していて、それらの山を水源とする40本以上の川が海へ豊かな栄養分を運んでいる。そこで作り出される生態系はバラエティ豊か!

《Mr.SAKANAダイビングサービス》笠井雅夫さんが見た!

アカネハナゴイの群れはバラス島の周辺スポットや、「崎山ノースコーナー」、サバ崎の「Gスポット」で見られます。

4~6月

スズメダイの幼魚たち

よく見る種だけれども、透明度のいいキラキラの海で見ると宝石のような美しさ!

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

アマミスズメダイやクロスズメダイ、レモンスズメダイ、汽水域でよく見られるダンダラスズメダイやブルースポットダムゼル、スズメダイモドキ、オリオンスズメダイなど、多くのスズメダイの幼魚が見られます。

4~11月

イソマグロの群れ(回遊魚の群れ)

これぞ西表島!を思わせるような海中風景がこれだ! 頭上をガンガンと通り過ぎる、銀色の巨体は迫力満点!

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

オガン・崎山沖・トカキンポイントなど、ドリフトで当たればイソマグロの群れに出会えます。

ダイビング中に感じる、頭上からの気配……。なんだろう?と見上げるとそこには、イソマグロの大群が! 思わず凄んでしまうほどの迫力
撮影:ブルーシーズン西表

海中が少しずつにぎやかに!

春の陽気に誘われて、海中もなんだか楽しい雰囲気になってくる。かくれんぼしている小さな生物を探し出すのも楽しい!

《ヒーリップル》川村米喜さんが見た!

春は水温の低い時期ですが、夏に向けて少しずつ海の中がにぎやかになる季節です。西表の場合、ウミウシは冬よりも春のほうが多いので、水温の低い時期のウミウシ+幼体をおすすめします。ナカモトイロワケハゼが家に入居し始めるのもこの時期から。小さい個体が見られる可能性もありますよ。

3~11月

バラス島でスノーケリング&ピクニック

西表島の海開きは早い! 2018年は3月21日(水・祝)に行なわれた。この時期になると、軽装備で楽しめるスノーケリングも楽しい♪ 行ってほしいのはココ!

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

潮の干満によって顔を出す、サンゴでできた幻の島“バラス島”。ぜひ見てほしいですね。

夏からの西表島

5~9月

いつもとはちょっと違う早朝ダイビングで三文の徳!?

朝や夕方の海中は、静かで神聖な雰囲気に。海を独り占めしている気分だ。

《GOOD DIVE》井腰幸夫さんが見た!

日の出時刻が6時前後になる5〜9月にかけては、ちょっと早起きの早朝ダイブがおすすめです。朝特有の静かな水中はかなり気持ち良いです。
朝の満潮時刻が重なるタイミングでのマングローブダイブは、海とは違う一面を見せてくれます。マングローブの根付近に潜むヒメツバメウオの幼魚もいます。
一年で最も生態行動が盛んな4月から6月にかけては、夕刻のダイビングもおすすめです。“水中流星群(下の動画)”もそのひとつです。

キビナゴ?スカシテンジクダイ?だろうか。速い動きで同定ができないのだが、小魚がナイトダイビングでビュンビュンと泳ぎ回る様子はまるで流星群! 西表島でならエグジット後に満天の星も望めるかも?
撮影:GOOD DIVE

5~10月

仲ノ神島(通称オガン)の「東の根」

一年の中で海況が安定する時期にのみ行くことができる島“オガン”。イソマグロやバラクーダ、ツムブリやカスミアジなど大物が狙える「東の根」は、ときに強い流れになることも。

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

オガンのメインスポット「東の根」。ビルのような根は絶景で、その先に見える回遊魚も最高です。

6~8月

さまざまなハナダイ

この時期、産卵行動になるからハナダイたちがきれいに見える。さらに、一年で一番光が強い時期になるのか、本当に驚くほどハナダイたちがきれいに見える。西表島のどこまでも深いブルーとのコントラストが美しい。

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

ハナダイの仲間たちの幼魚が見頃で、とても綺麗な色合いです。深場で見られるハナダイたち(ハナゴンベ、フチドリハナダイ、スジハナダイ、アカボシハナゴイなど)もおすすめです。

7~9月

いろいろなハゼ

日本では南方でないと遭遇できない種も生息するから見逃せない!

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

7~9月はいろいろな種類のハゼの幼魚が多く見られます

一年で一番盛り上がりを見せる海

黒潮が運んでくる南方種がよく流れ着く時期でもある。

《ヒーリップル》川村米喜さんが見た!

夏は幼魚天国! ありとあらゆる生き物の幼魚が各スポットで見られるようになり、ガイドも興奮します。また、恋の季節ですので求愛&産卵行動が頻繁に見られるようになり、フォトジェニックな場所が増えます。一年を通じて一番海が華やかで色彩にあふれる時期です。

7月

ウミショウブの開花

日本では沖縄県沿岸のみに生息する海草の一種。限られた条件下でしか見ることができないので、見られたらラッキー!

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

大潮のときに見られるウミショウブの開花シーンはとてもドラマチックです。

6月中旬~7月中旬

サガリバナを見に行く

一夜だけ花を咲かせ、翌朝には散ってしまう幻の花“サガリバナ”。儚さゆえに美しいその様子を見物しに、この時期を狙ってくる観光客も多いのだとか。

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

期間限定の早朝サガリ花。明け方前からカヌ-で出発すると見られる、川一面に広がるサガリ花は幻想的です。

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

サガリバナ鑑賞は実際に川の上流に行ってその場で見た人しかわからない美しさや雰囲気、香りが魅力です。

秋からの西表島

秋~冬

スミレナガハナダイ

マクロな生物ウオッチングも楽しい西表島。日本では南方でないと見ることができない生物も多く生息するだけでなく、季節来遊漁もふえるので、行く価値は大きい。

《GOOD DIVE》井腰幸夫さんが見た!

魚種とサンゴの種類が豊富なので、一年を通して何かしらの生態行動が観察できます。特にこの秋から冬にかけては、スミレナガハナダイのオスがとっても美しい!

9~11月

変わり者

夏場のピークを過ぎると、ダイバーの人数が落ち着くので、カメラ派の人におすすめ。普段あまり目にすることがない魚をじっくり狙おう。

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

ニシキフウライウオやミナミハコフグの幼魚、ノコギリハギの幼魚、ナンヨウツバメウオの幼魚など変わり者が頻繁に現れる時期です。

《ヒーリップル》川村米喜さんが見た!

秋は夏場とは少しズレた生き物たちの恋の季節が始まります。カエルアンコウの幼魚は夏よりも秋のほうが、多く見られるイメージがあります。また、大きな台風が来る時期でもありますが、逆を言えば台風が珍しい生き物を連れてきてくれる時期なので 普段見られないような生き物が現れることもありますよ。

冬からの西表島

11~12月

トガリモエビの仲間

背景に同化するトガリモエビ。あまりにもうまく擬態しているから見つけるのが難しいが、目を凝らして探してみよう。

《イ・テリオス ダイビング サービス西表島》栗原雅直さんが見た!

11~12月にはトガリモエビの仲間を見ることができます。

12~4月

さまざまなウミウシ

羊のような見た目がかわいいクサイロモウミウシ。テングモウミウシと似ているが、背中に青色っぽい斑点があるのがテングモウミウシで、クサイロモウミウシにはない

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

12~4月はいろいろな種類のウミウシが多く見られる時期です。

ダイバーたちの季節到来!

冬の海は最高に透明度がいいし、海に来るノンダイバーの数も減る。まさにダイバーの季節だ。本州よりも寒くないので、ダイビングがしやすいのもうれしい!

《ヒーリップル》川村米喜さんが見た!

冬は海が荒れることも多いのですが、来島するダイバーの数が減りますので、フォト派の方には特におすすめ! 被写体を独り占めできる季節です。特に深場でのハゼやハナダイは人数の多い夏場にはリクエストされても、お応えできないことが多いですが、冬場ならばリクエストいただけたらご案内しやすいです。西表島では西側エリアの深場に珍しい生き物が多く生息しております。冬場はそれらの生き物を狙うのが旬なダイビングになるといいなって個人的には思っています。

リュウキュウイノシシを食す

クセも少なく、非常においしい。おすすめはステーキ!

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

冬の時期の美味、本物のリュウキュウイノシシを味わえるのは西表島だけです。

オールシーズンの西表島

ウミガメ

西表島の雄大なサンゴと、ウミガメのコラボレーションは最高! ウミガメは意外と泳ぐのが速いので、ちょっかいなどを出して逃げられないように注意しよう。

《メラマウリゾート》國井健二さんが見た!

写真は、スノーケリング中の水深8mのもの。西表島崎山ウルチ崎でチャンスは通年。常に透明度の高いスポットで、ウミガメがスノーケリングでなら100%見ることができます。美しいエダサンゴにひっそりとお休みする姿や、優雅に泳ぐ姿が見られるほか、時には目の前に息継ぎに上がってきてくれます。スノーケリング時のウミガメ遭遇は、毎回10匹!

スノーケリングなら、ダイビングよりも手軽にチャレンジできる。水中世界をさらに広げたくなったらダイバーデビューしちゃおう♪
撮影:メラマウリゾート

ヨナラ+鹿の川でオールシーズン

マンタ!

西表島では憧れのマンタと会うこともできる。透明度のいい海を悠々自適に泳ぐ様子は見ていて気持ちがいい。

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

「ヨナラ水道」は潮のタイミングを合わせて入ることができる上級者ドリフトスポット。マンタが通年見られる確率が高いです。白い砂地に浮遊するマンタは最高です。

真っ白な砂地を泳ぐ、2枚の大きなマンタ。数ある水中風景の中でも、トップクラスで癒される光景だろう
撮影:ブルーシーズン西表

《西表ダイビングサービス・トネリコ》齊藤幸平さんが見た!

3~5月は「鹿の川・中ノ瀬」のマンタシーズンです。多いときは7~8枚のマンタの群れと遭遇することも。

※月刊『マリンダイビング』11月号(2018/10/10発売)「西表島特集」52ページのマンタの写真キャプションに間違いがありました。撮影者はK.S(トネリコ齊藤幸平)さんで、「トガリモエビの仲間を見ることもできます」は誤りです。関係者の皆さまにはご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。

「鹿の川・中ノ瀬」で見られた、根の周りをぐるぐると回る5枚のマンタ。ダイバーたちに向かって演技しているかのようだ
撮影:ブルーシーズン西表

ピナイサーラの滝までカヌー&トレッキング

“ピナイサーラ”とは沖縄の方言で、ピナイ=ひげ、サーラ=下がったものを意味していて、老人のヒゲのように白く下がった物を連想させる滝。

《ブルーシーズン西表》湊次郎さんが見た!

マイナスイオンを味わいながらカヌ-&トレッキング。その先には沖縄県一の落差55mの滝が絶景です。

石垣島からフェリーで日帰りでも行くことができる西表島だけど、せっかくなら泊まりで行きたい。夜までいた人しか見ることができない絶景とは……? 

《イ・テリオス ダイビング サービス西表島》栗原雅直さんが見た!

全天に88ある星座のうち、84の星座が西表島では見られます。また、21ある1等星をすべて見ることができます。

島時間

島には24時間営業のコンビニなんてない。都会に住んでいる人だと最初は少し不便に感じるかもしれないけど、慣れればどうってことない。時間に追われずのんびり過ごす島時間の心地よさに気付くはずだ。

《スマイルフィッシュ ダイビングサービス》川尻哲央さんが見た!

満天の星を眺める、少し早起きして宿の近くを散歩してみる、SUPやサイクリングするなど、都会にはない島のゆったりとした時間を堪能していただきたいです。

今人気のマリンスポーツSUP(Stand Up Paddle)。サーフボードよりも大きな板の上に立ち、パドルと呼ばれる棒で漕いで進む。誰でも簡単に乗ることができるから、西表島の大自然の中をクルージングしてみよう
撮影:スマイルフィッシュ ダイビングサービス

西表島写真館

ほかにも西表島で見られるベストシーンは多種多様。実際に行って、自分の目で確かめるのが一番だ!

  • トロピカルな色合いの魚たちがブワっと群れる。サンゴ礁もきれいだ

  • ピンクのイソバナに同化するホソガラスハゼを発見! 目をよく凝らして探してみよう

  • スノーケリングで楽しめる場所も。浅瀬のサンゴ礁が太陽の光を反射してキラキラと輝く

  • 季節来遊魚のミナミハコフグ。ドット柄がおしゃれ

  • ダイバーのアイドル的存在カエルアンコウ。片ヒレで踏ん張る様子がかわいい……♡

  • 汽水域のマングローブなどの植物が多く茂る場所をすみかにするテッポウウオ。西表島らしい生物だ

  • 激レアエビのフィコカリス・シムランスだろうか。何が出てくるかわからない、ポテンシャルの高い西表島

  • ピグミーシ―ホースは通常より比較的浅い、水深26mで観察できるからおすすめ。「ヨナラ水道・ピグミーポイント」

  • 西表島の静寂な海は神聖な雰囲気。潜ると体がクリアになる感じ

  • 卵を守るトウアカクマノミ。タイミングを狙って会いに行こう

  • シャングルのような大自然を体験するのも楽しい。ダイビングだけではなく、ネイチャーツアーにも参加したい

西表島へは《安栄観光》の船でアクセス!

西表島へ行くには、まずは飛行機で石垣島へ行こう。各地からは直行便や経由便が多く飛んでいるので便利。石垣空港に着いたら、路線バスかタクシーで石垣港離島ターミナルへ(所要時間約30分)。離島ターミナルから西表島へは《安栄観光》の定期船が一日9~10便ある。所要時間は直行便で40~45分、経由便で55~60分(上原港行きの場合)。上原港行きと大原港行きの路線があり、海況が悪いと大原港行きのみの運航となるが、上原港まで無料連結送迎バスが出ているので安心だ。

おすすめ観光コース

西表島滞在の方限定
西表島アンビエント 星空ナイトツアー

西表島で最高の星空体験。3~4月上旬はヤエヤマホタル、6月下旬~7月下旬はサガリバナなど季節ならではのお楽しみも! (所要時間/約2時間 通年開催)

西表島滞在の方限定
西表島 サンライズSUP

早朝のすがすがしい空気の中楽しむSUPコース。島の滞在先への送迎あり。ガイド代、機材一式レンタル付きで身軽に気軽にトライ!
(所要時間/約2時間 通年開催)

西表島旅+αの楽しみ方 
八重山諸島めぐりをしよう!

せっかく西表島に行ったのだから、ほかの八重山諸島にも足を延ばしてみよう。《安栄観光》の八重山観光コースを利用すれば、西表島周辺の由布島、竹富島、小浜島、波照間島などの島々へお得な料金で行ことができる。石垣島を拠点に1日で2~4島を巡るプランなどコースはバラエティに富むので、理想に合ったものを見つけよう。減圧症予防の関係で潜れない最終日などにもおすすめ!

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